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こんにちは、究進塾 編集部です。

今回は夏休みの過ごし方や勉強法、おすすめの参考書について、先生方に教えていただきました。


並木先生

今日は夏休みの過ごし方ということで、数学の山口先生と、英語の細田先生にお越しいただきました。


山口先生

よろしくお願いします


細田先生

お願いします

並木先生(塾長)
大学受験生に化学を教えています。趣味は読書と野球観戦(ベイスターズファン)、カレー食べ歩き、子供の遊び場開拓。1児の父として子育てしていることから、最近は幼児教育にも関心を持っています。

山口先生
東京大学大学院数理科学研究科卒。誠実かつ実直な性格と、分かりやすさや丁寧さで生徒さんのキャラクターを問わず安心感を与えてくれる講師です。大学受験や医学部受験はもちろん、大学院入試対策にも精通した講師です。

細田先生
早稲田大学教育学部英語英文学科卒。 第二言語習得法に基づいた音読を重視した英語指導法が特徴。TOEIC945点。英検1級取得。医学部受験生への指導経験・合格実績も豊富な講師です。

理想的な夏休みの過ごし方


並木先生

まずは山口先生に、ご自身の受験生時代のご経験から、あとは先生になってからの指導経験などを踏まえまして、理想的な夏休みの過ごし方について話していただければと思います

学生時代の悩みと工夫

山口先生:山口雅史と申します。数学の教員をしているんですけれども、私の高校時代を思い起こしてみますと、文学部の哲学や心理学の道に進むか、理学部数学科に進むか迷っていた時期がずいぶん長くてですね。文系か理系かも定まらなくて文学書を読んだり、数学の専門書に触れてみたりっていうのをフラフラとしていた時期が長くありました。

で、高校2年生が終わりになった頃から理学部数学科の方に進んでみようというふうに決意をしまして。

それで、受験の数学ももちろんやっていて楽しい部分はあるんですけども、疲れてきたときに、気分転換を勉強でするというか、自分の知的好奇心を満たす休み、休憩の仕方というのをちょっと模索をしていて。それが、大学の数学であったりとか、より専門的な数学の専門書を断片だけ見て雰囲気を楽しんでわくわくするとか、そういう…なんて言うか「自分の今やっている勉強が、未来にどう繋がるのか」っていうことをしきりに意識しながら受験勉強をしていたなという記憶があります。

それで数学の研究者になれたら良いなという希望を淡く持っていたわけですけれども、受験勉強としてはやはりその、自分の興味のある分野だけではなくて、苦手な分野や、ともすれば好きではないこともやはりしなければいけないと思いましたので、自分の好きな勉強ができることをご褒美というか、休憩の一環ということにして、普段は苦手なことも我慢してやるというような。

飴とむちではないんですけど、勉強の範囲内でその自分を楽しませるという内容を作って、メリハリを持たせられるようにというふうに思ってやっていました。

教える立場になって

山口先生:それで教員になってからといいますか、大学に進学してすぐに、どなたか生徒さんにお教えするということを楽しみで始めさせていただいたんですけども、やはり教える頃にはまだ自分の中での学識といいますか、学問に関するものの見方が確立しておりませんで、明確に正しい内容を瞬時に提示できるか、という不安も多々ありました。

が、お話をしながら生徒さんの考える傾向や「どのようなことを受け入れたがってるのかな」「習得したがってるのかな」ということをこちらが学ばせていただいた上でお話をするという、訓練の期間でもあったように思います。

それを土台としますと、やはり生徒さんとしてはたくさんの問題を解きたいということと、きちんと理解し直したいということの2つに尽きるように私には見受けられました。

夏休みとはどんな時間か

山口先生:で、夏休みですね。これがちょうど夏休みに皆さんにお伝えする内容として、何が適切かということを考えたときに、夏休みというのは「没入できる時間」とやはり思います。

とても光が濃くて風景も綺麗で、好きな映像を見ながら音楽を聞きながら…とか、いろんなことをして自分の感情を楽しく動かしたり、寂しい気持ちになったりとか、何というか情緒と勉強が結びつくいい機会かなと思ったんですね。

なので、怖い思いをしたときの記憶は一生残るとか、楽しい思いも思い出も残るみたいな感じで、自分の感情を揺り動かしながら好きなことをたくさん思いっきり勉強できるっていう時期でもあるように思います。

で、今は(インタビュー当時はコロナ禍でした)やはり外に出づらいし、いろんな方とお話をする機会というのもなかなか難しいかと思うのですけれども、その分、インターネットで様々な情報に触れることができますし、もし受験される方がですね「将来こんなことをやってみたい」と思ったら、その情報を今得てモチベーションに繋げることも可能だと思うんですね。

ですので、ご自身をいじめるとは言いませんが、ストイックにただ追求するだけではなくて、自分のやってることがどういう意味を持つのかということも合わせて触れていただけたら、楽しみが勉強の中に現れるんじゃないかなということに少々期待しているというところになります。


並木先生

ありがとうございます。では細田先生いかがでしょうか?


細田先生

そうですね、せっかく山口先生からいろいろ自分のご紹介とかいただいたので、ちょっと僕の方からも自己紹介が必要かなと思うんですけれども

高校時代と志望校決定の理由

細田先生:自分の場合は中学高校生の時に、英語が一番得意な科目で、とにかく英語の音読をすることが好きで音読をしまくっていたら、いつの間にか英語が得意になって。

それで友達にちょっと英語を教えるみたいなことをきっかけに、それがすごく楽しかったっていうのが理由で「英語教師になろう」と。それで、早稲田大学教育学部を第1志望にしてたんですね。

なので、高校3年生の夏休みに関してはもう第一志望も決まっていて、すごく入りたいと思っていたので、割ともう受験モードにはしっかり入ってるっていう感じでしたね。

夏休みの勉強

細田先生:夏休みにどういう勉強したかってことなんですけど、自分の場合、当時は塾には通っていなくて。

というのは、集団の指導が自分には合わなかったっていうのと、東京とは違って茨城の田舎の方なので、プロの講師みたいなものに一対一で付いてもらうみたいな考えもなかったので、独学で勉強したという感じなんですけど。

さっき山口先生がおっしゃってたみたいに、夏休みって本当に自分で自由に使えるっていう時期だったので、すごく自分の好きなように勉強したなっていう感じですね、自分の場合は。

特に学校から宿題というのもあまり出てなかったのかなと思うので、自分で教材を選んで。

特に音読が好きだったんでひたすら音読をしまくっていたっていう感じですかね。

重要視していたこと

細田先生:勉強の時間っていうよりも「どう勉強するか」っていう質の方を結構重視してまして、当時。

で、「どうやったらもっといい勉強ができるんだろうな」っていうのを常に模索して、それにそれこそ没頭してた、みたいな感じですね。

なんか…「歩きながらだと記憶に定着しやすい」という話を聞いてたので、自宅のリビングの和室でぐるぐるぐるぐる歩き回りながら英語の本を音読するみたいなことをやったりとか(笑)そんなことを自分の場合はやってましたね。

学年ごとの「何をしたらいいか」

細田先生:で、そうですねまぁ、生徒にどういうことをしてほしいかっていうことで言うと、まず今の(さっきまでの話)は高3の話なんですけども、もし高1、高2だとしたら「とりあえず勉強しておこう」っていうことを、最初言いたいですかね。

高1・高2って、高3と比べるとそもそも周りが勉強してなかったりするので、その時期にちゃんと勉強できたらそれだけで有利なので。高1、高2だったら「とにかく勉強しておこう」「とりあえず学習習慣を作っておこう」みたいなことを言いたいですかね。

あと、ちゃんと自分に合わせた勉強というものを夏休みはした方がいいかなとは思ってます。せっかく学校の授業とかから離れて勉強ができる機会なので。

その機会をせっかくだったら使って、もう一度「今自分が使ってる教材が自分に合ってるのか」とか「今の勉強法で正しいのか」とかっていうのを見直して、やっぱりいろいろ情報収集とかもしながらより質の高い学習をしていくっていう機会にできたら、他と差がつけられるんじゃないかなっていうふうには思ってますね。

学習を“自分で決める”


並木先生

質問なんですけども、先生は学校の宿題とかあまりそんなに出なかったんですか?ご自身が高校生の時の生活を振り返ってみると


細田先生

高1高2は出てました…ね、出てました

細田先生:で…ちょっとこれはあまりあの、言っていいかどうか微妙なとこなんですけど、まあその…好きじゃない教科のものはやってないみたいな感じだったので(笑)単純にそれで記憶に残ってないだけかもしれないんですけど。

そうですね、少なくとも高1、高2に関しては出ていて、ただ、まぁ好きな科目の…特に英語とかの物だけは一生懸命やって、他はあまりやってなかったみたいな感じかもしれないですね。

高3は多分それぞれやることが違うはずなので、多分そんなに学校側からどっさり宿題が出てるって感じじゃなかったと思います。


並木先生

そうするとやっぱり、学校の…出された宿題っていうものよりも、ご自身で何かこう、オリジナルで見つけた勉強法の方が役に立ったというか


細田先生

そうですね

細田先生:ただ、うちの学校も結構グローバルな学校で英語教育に力を入れてたので、学校の教育の質も良かったのは間違いないです。なので授業内で音読学習とか、そういうのをいっぱいやってましたし。

なので学校のやつを全く無視してたわけではなく、そこからプラスしてちょっと自分でいろいろ情報収集して…そうですね、音読法にもいろいろあったりするんで「あこういう方法もあるんだ、じゃあちょっとこれやってみよう」みたいな。同じ音読ばっかりやってると飽きちゃったりもするので。


並木先生

それはご自身で見つけられたんですか。色々な音読法というか


細田先生

そうですね、えーと…

細田先生:ちょっとサイトの名前が…覚えてないんですけど、まぁ何かその「英語」「学習法」みたいな感じでネット検索するだけでいろいろ出てきたりするので、それをもとにやってたかなとは思いますね。

たぶん今検索すれば、もっとたくさん出てくると思うんですけど。当時もそういうのがあって、っていう感じです。


並木先生

山口先生にもう一度、近いご質問させていただくと、先ほどのお話で、先生もやっぱり自主的に勉強されてたような印象なんですけど、先生ご自身は塾に行ったりとかは、あまりなかったですかね?


山口先生

そうですね

山口先生:学習環境としては、高校にいたんですけれども、高校は進学校では全くなくて。

地方の高校で、特に自然科学系あるいは人文系で何か際立った特徴のある教育を行ってるということでもなく、そして私も塾に行っておりませんでしたので。

当時もう難しい参考書がたくさんありました。今の受験よりも、いろんな難しい問題というものを扱った本がたくさんあったので、とにかく参考書をいっぱい買って。

難しい参考書がたくさんありましたので、例えば『大学への数学』、あと同じ名前の黒いハードカバーのシリーズとか(通称『黒大数』)。

昔はすごくマニアックといいますか、裏技を使ったものとかたくさんあったので、そういうものをたくさんどっさり買って、もうどんどんどんどん自分で読んでいくっていう。で、気になった問題は手を動かしてみるとか、あとはどこかで出題されている数学の宿題っていう難問に挑戦してみるとか。

基本的に学校のカリキュラムは全く考えていませんでした。もう自分で本当に好きなことをやっていたので、ちょっと…ともすると自分の興味に偏った勉強もたくさんしていたなと。好きな分野をたくさんやるけれども、苦手な、あまり好きでないことをやっぱりちょっと避けていたりとか。

そういう意味では、どなたか先生がついて専門的なアドバイスをくださるっていう環境であった方が、自分の苦手なものも積極的にやる機会が持てたなとか、そういうことを感じていますね。

独学でやっていたからこそ、特に数学の分野ではいろんな寄り道というか遠回りもたくさんしたなという記憶がありますね。


細田先生

それについてちょっといいですか

細田先生:僕も、いわゆる「受験の王道の参考書ルート」みたいなものだけじゃなくて、結構寄り道しまくってたなという記憶があって。

「TED」っていう動画サイトがあって、いろんな道の専門分野の研究者が舞台に立って、自分の専門分野に関して、英語で聴衆にスピーチをするみたいな、そういう動画サイトがあるんですけど、それを興味の赴くままに見てみた、みたいなことをしてました。

それを使って自分もその研究者になったつもりで同じように音読したりとか、聞いてそれをもう本当にそのまま(声に)出すとかっていう感じでやったりしてて。

だから、意外とちょっと「急がば回れ」じゃないですけど、そのあんまり…少なくとも無理して「面白くないな」って思いながら参考書とかをやるよりも、意外と自分の興味の赴くままにこう…いろいろやっていった方がいいってパターンもあるのかもしれないですね。


細田先生

ちょっと、必ずしもおすすめできるかというと微妙なんですけど


並木先生

でもまぁお2人に共通することとしては、やっぱり「学校から与えられてやった」「こなした」っていうよりは、ご自身で何かこう、いろいろ面白い興味のある勉強を見つけていったっていうところがありますね


細田先生

自分で自分の学習をコントロールしたいっていうのがちょっと強かったのかもしれないですね。なんか、言われたことをただやる、みたいな感じのタイプでは元々なかったので。ある意味ちょっとギャンブル、賭けみたいなところはあったかもしれないですけど、今思えば

今は情報が“多すぎる”時代


山口先生

なかなか、自分自身の勉強を自分で決定するというのはどんどん難しくなっているのかもしれないですね。選択肢がたくさん提示されているのもあるし

山口先生:やっぱりいろんな方法をすぐにアクセスすることができるので、自分の意思でじっくり外から情報を入れずに選択するっていう機会を得るのが難しいかなと。情報が来てしまうがゆえに。


並木先生

そうですよね。それはだから、今の子の方がよりそうなってると


山口先生

はい、そうですね

山口先生:昔は情報、勉強法などはもう本を読む以外になかなかアクセスが難しかったと思うんですけれども。

今はインターネットが普及していろんな方法で勉強することができてしまうがゆえに、自分で選ぶというよりは、何か“誰かに良いものを与えられる”というのを探す、待つ、というのが楽になってきてますよって。そういうふうに感じます。


細田先生

そういう意味では、僕は時代的に本当にちょうどよかったかもしれなくて

細田先生:本はもちろんあったんですけど、プラスちょっとネットの情報とかも出始めたぐらいで。

今の世代ってもう、本当に本屋にもめちゃくちゃいろんな参考書あるし、ネットでもいろんな情報があって、全く何から手をつけていいかわからないっていう状態だと思うんですけど。

自分の場合は割と、既存の伝統的な参考書プラス、ちょっとより効率的な方法を伝えてくれる参考書とかが出始めてた時期だったので、割と選びやすかったというのはありますね。


並木先生

今ほど情報が多すぎない?


細田先生

そうですね。かつ少なすぎずだったので、ちょうど選べるなっていう。自分の意思で選びやすいなっていうぐらいの量だったっていう気はします


並木先生

確かに今だと本は本で充実してますし、まぁYouTube見ればYouTubeもいっぱいいろんな授業動画も出てますし。その中でどれを選ぶかっていうのも、結構難しいところですよね

おすすめの参考書


並木先生

今の(話の)流れで、おすすめの参考書とかはありますか?


細田先生

そうですね

細田先生:参考書で言うと、自分の場合は英検系の参考を結構信頼してまして。

というのも、英検ってやっぱりかなり伝統があるもので。で、しっかり参考書のレベルっていうものがちゃんと分けられてるんですね。

3級とか準2級とか…という感じなので、生徒のレベルに合わせて参考書を選びやすいという特徴があって。なので、自分の場合、生徒とかによくおすすめしてるのは『英検 文で覚える単熟語』というやつで、文章の中で単語を覚えていくっていうタイプの参考書ですね。

夏休み、単語をたくさん覚えようって思ってる生徒も結構いると思うんですけど、やっぱり単語って単体で切り離して覚えるにはちょっと限界があって。

実際にそれがどうやって使われていくのかっていうことを実感しながら勉強していった方が、実際に使えるような語彙力になっていくんで。なのでこういう参考書をおすすめしてますね。

似たようなもので『速読英単語』っていうものもあるんですけど、ちょっとあれはですね、いい参考書なんですけど文章のレベルのばらつきが結構あって。生徒に使ってみてもらったときに、途中から読めなくなっちゃったみたいなことがあったので。

そういうことも踏まえるとやっぱり英検の、しっかり級別になってる参考書とか単語帳とかを使ってあげるのがいいかなとは思いますね。


並木先生

やり方は先生がまぁ指導するときは「こういう形で読んでいくといいよ」「覚えていくといいよ」っていうのを指導されるんですか


細田先生

そうですね

細田先生:『英検 文で覚える単熟語』は特に文法的な説明とかはないので。文法とかを学べるような参考書はちょっとまた別でやりつつ、長文読解+語彙力増強のための参考書として使っていくんですけど。

ただやっぱりたくさん文章がある感じなので、何も戦略を持たずにやってしまうと量に圧倒されて…って場合もあるので。

自分の場合は、生徒がそれを学びやすいように、いろいろ勉強法とかを指示しながらやっていくっていう感じですかね。

例えばその…日本語訳を全然使ってもらったりとかして。読めないところがあったらもう日本語で確認しちゃっていいよみたいな感じで、ちょっとレベルを下げるとか、そんな感じでいろいろ工夫はしてますね。


並木先生

なるほど

<後半へ続きます>

 

記事:「夏休みの過ごし方」
①「夏休み中の過ごし方(前編)効果的な勉強法とおすすめの参考書について」
②「夏休みの過ごし方(後編)学習に集中するための環境づくりが重要

 


編集部

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究進塾 編集部


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