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こんにちは。究進塾 編集部です。今回の解説は、帝京大学医学部の入試対策について、英語の細田朗講師からのアドバイスです。問題の傾向や対策について確認し、受験対策をしていきましょう。
帝京大学医学部の入試の特徴
帝京大学医学部の入試は、受験科目の選択に自由度が高いのが特徴です。ただし、英語は必修科目です。受験生は全員、帝京大学医学部に合格するためには、英語の対策が大事になってきます。
問題の傾向
解答時間:60分
時間設定は、比較的短めです。
大問数:4問
大問は全部で4つありますが、時間が足りなくなることはあまりないでしょう。もちろん、英語が苦手な生徒の場合には、足りなくなることはあるかと思います。しかし、英語の基礎力がそれなりにあり、長文もしっかり読めて、文法も基礎が固まっている生徒であれば、60分は十分な解答時間です。
解答形式:マークシート方式
ほぼマークシートですが、若干の記述があり、和訳、内容説明などが記述式となっています。年度によって違うので、自身で確認してください。記述といっても、本当に若干の和訳をする程度なので、ほぼマークシートだと思って問題はないでしょう。
出題内容
大問4問のうち、大問1~大問3までが文章読解系、大問4が語句整序問題(並び替え)となっています。この構成は2020年~2021年度の傾向です。2018年、2019年では大問3で「空所補充問題(語彙力)」の出題がされていました。
年度によってこうした形式の変化は多少ありますが、近年は文章読解を中心とした出題がされています。そして、読解問題では内容把握・並び替え・和訳など様々な要素が問われます。
「内容を把握しているか」だけではなく、色々な形式で多角的に問われることがポイントです。
難易度と戦略
大問1の長文問題が最も難易度が高く、高得点が狙いづらくなっています。大問1だけ突出して難易度が高いのが特徴です。語彙のレベルも高く、かつ抽象的な内容で、「読みづらい」と感じる生徒が多いと思います。大問1で高得点を狙うことは、あまり期待しない方がいいでしょう。
大問2~大問4の難易度は標準的であり、8割以上の得点を目指したいところです。内容としては「長文問題」「並び替え」「語句整序問題」を含んでいます。基本的な英語力がきちんと備わっていれば、かなり解きやすいといえます。合格する生徒はかなり高得点を取ってくると思われるので、ここで8割以上の得点を狙いたいところです。
全体としては7割以上、英語が得意であれば8割以上を目指したいところです。8割以上を取ることができれば、他の受験生に対してアドバンテージを取ることができると思います。
帝京大学の合格最低点は、大体7割前半ぐらいを推移しています。8割以上の得点が取れていれば、他の受験生よりも確実に有利になります。
試験形式の影響
もう1つ特徴として、日程ごとに若干難易度の差があることです。
帝京大学の入試は、試験日程のうち複数の日程を受験した場合、その中で1番得点が高かったものが採用される形式です。
さらに、日程ごとに難易度の差があります。比較的簡単な日程に受験することができれば、高い点数が得られ、周りの受験生よりも有利になることがあります。
帝京大学の志望順位が高く、他の私大の試験日程と被らずに受験することが可能なら、複数日程を受験するのが1つ良い戦略だと思われます。
学習方針
方針①多角的に学習
1つ目は、「英文を多角的に学習すること」です。これは、様々な問題形式に対応するためです。帝京の読解問題では、さまざまな形式で受験生の英語力が問われます。ただ英文を理解する学習だけではなく、さまざまな角度から文章を学習しておくと、最終的に帝京大学の問題にも対応できるようになっていきます。
方針②医学系・科学系の英文を大量に読む
これは、英検準1級レベルの英語力を身につけたあと、こうした英文を大量に読む方法です。
帝京大学の文章には、医学系、科学系の文章が結構たくさん出てきます。そうは言っても、それ以外の基本的な英語力が固まっていなければ、やはり医学系・科学系の英文は読めません。
まずは英検準1級レベルの英語力をしっかりと固め、それができてから医学科学系の英文をどんどん読み進めましょう。
方針③語句整序(並び替え)対策
文法網羅系の参考書『VINTAGE』などで、アウトプット系の活動を行うことで対応することです。
使用すべき参考書
上記の学習方針をもとに、使用する対策用のテキストの例です。全てリストアップするときりがないので、最終的な目標に合わせ、おすすめの参考書を選んで記載します。
英語力アップの参考書
まず、英検準1級レベルの英語力を身に付けるために『英検 文で覚える単熟語 準一級』を使用します。その後、『私立医学部の英語』『医学部の英語』を使い、医学系・科学系の英文に慣れていきましょう。
文法の参考書
文法に関しては『VINTAGE』『Next Stage』など文法網羅系の参考書を、最低でも1冊使用することをおすすめします。そして、定着度を確認する意図として『大学受験スーパーゼミ 全解説頻出英文法・語法問題』をおすすめします。
学習のポイント
ここでは、合格のための学習のポイント、具体的なアプローチについて解説します。
①長文は詳細と全体を両方意識
帝京大学医学部の長文問題は、様々な形式で出題されます。英文の細かいところを理解しているか、全体の流れを理解してるかどうか、などが問われます。
英文の細かい部分を理解することばかりに意識を向けた学習では、全体の流れを問う問題で点数がうまく取れなかったり、逆に全体の流れを大まかに理解する学習ばかりでは、今度は詳細を問われる問題で点数が伸び悩む、という事態になりかねません。
長文の学習をするときは、詳細と全体、両方をしっかりと意識して学習を進めていく必要があります。
具体的な学習方法①詳細を理解するための学習
詳細を理解する学習方法として、「サイトトランスレーション」をおすすめします。これは英文を見て、口頭で和訳をしていく練習です。英文を前から順に「意味の塊」で区切り、前から口頭で訳していきます。
英文を逐一、口頭で訳をしていくことで「自分が理解できているか」をかなり細かいところまで確認することができます。もし、うまく訳せないところがあれば、その箇所の文法を調べたりすることで、より理解を深めていく方法です。しかもこの練習法は前から訳していくので、英文を前から処理していく能力も身に付ける助けになります。
具体的な学習方法②全体を理解するための学習
これには、要約練習が挙げられます。筆者の書いた長文を読み、それを自分の言葉でまとめていく練習です。ただ、帝京大学の入試で要約問題そのものの出題があるわけではないので、あまり質の高い、細かいところまでこだわった要約を作る必要はありません。
とにかく自分の言葉で、筆者の主張を説明する学習をしましょう。自分の言葉で文章の流れを説明するためには、文章の流れをしっかりと理解していなければいけません。この練習をすることにより、文章全体の流れを理解する力が身に付いていきます。
②語句整序はアウトプット学習で対応
帝京大学には、語句整序(並び替え)の問題が出てきます。この並び替え問題に対応するために、並び替え専用の問題集を別途買う必要があるかどうか、これがまず1つ悩みどころですが、細田講師の意見としては「語句整序のための専用の問題集を買う必要はまずない」というのも、帝京大学医学部で出てくる語句整序問題は基本的な問題で、基本的な文法が使われているためです。
おそらく既に持っているであろう『Next Stage』『VINTAGE』などの文法網羅系の参考書をしっかりと仕上げれば、わざわざ語句整序系の問題集を使う必要はありません。しかも問題集がいろいろ増えてしまうと、全てが中途半端になってしまう可能性があります。文法の網羅系の参考書を1冊しっかりと仕上げる形を取った方が、確実に対策ができます。
具体的な学習方法:問題集の使い方
文法網羅系問題集を、どのように使って対策していくのかということですが、こちらもアウトプット学習をします。その理由は「語句整序」という問題の特性が関わっています。
語句整序問題というのは、自分で単語を並べていく力です。つまり、作文やスピーキングなどのアウトプットする力を試す問題です。しっかりとアウトプット学習を行い、アウトプットの力を養っていけば、語句整序の問題は自然と解けるようになっていきます。
では具体的に『VINTAGE』『Next Stage』などの文法網羅系の問題集をどのように使っていけばいいのかというと、「口頭での和文英訳」です。
文法を網羅している問題集には、下に日本語訳が書かれています。日本語訳を口頭で英語に訳していく練習をすることにより、アウトプットの力を強力に鍛えることができます。
こうした練習法をしっかりと積んでいき、アウトプットの力が養われれば、帝京大学医学部の語句整序問題はかなりスムーズに、満点に近い、もしくは満点を取ることができるようになっていきます。
ただし、口頭での和文英訳という方法は、難易度が高い練習法です。いきなりやろうとすると全く言葉が出てこなくてうまくいかず、挫折してしまう可能性があります。まずは英文をしっかりと読んで理解する、もしくは音読をしたりリスニングをしたりして、とにかくしっかりと英文を体になじませ定着させた後で、和文英訳の練習に入ると、スムーズにアウトプット学習ができます。
まとめ
今回は2つのポイント説明させていただきました。
ポイント①
長文は詳細と全体を両方意識した学習を行うこと。詳細の学習のためにはサイトトランスレーション、全体を理解するための学習として要約をすること。
ポイント②
語句整序はアウトプット学習で対応していく。具体的な方法としては、口頭での和文英訳をする。
以上のポイントを参考に、対策を進めていきましょう。
おわりに
今回の解説はこれで以上となります。究進塾では、医学部対策に特化したコースを用意し、1人1人の生徒に合った丁寧な指導を行っております。ご興味がある方は「無料体験授業をご希望の方」からお気軽にお問い合わせください。
早稲田大学教育学部英語英文学科卒。 第二言語習得法に基づいた音読を重視した英語指導法が特徴。TOEIC945点。英検1級取得。医学部受験生への指導経験・合格実績も豊富な講師です。☆医学部受験対策の詳細はこちら