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当塾の受験生を見ていてある法則に気が付きました。当塾には、中高一貫校の生徒さんが多数いらっしゃっています。その中で、あまり上手く行っていないケースに共通項があります。

それは、中学受験の際に、親主導で、授業を詰め込んで受けた結果、実力以上の中学に合格してしまった生徒さんは、入学してから苦労するケースが多いということです。

ポイントは、3つです。

まず1番目は「親主導」という点です。これが、本人が主体的に関わっていればそれほど問題はありません。

2番目は「授業を詰め込む」という点です。大学入試は、いかに密度の高い自習ができるか?がカギとなります。本来であれば、中学から高校の課程の定期試験対策で、自習の方法を少しずつ改善しながら身に着けて行くものです。ですが、中には、高校2年生、3年生になっても、密度の濃い自習ができず、それを授業でカバーしようという発想が消えない生徒さんがいます。こういった生徒さんは、1番目の「親主導」とセットです。つまり、保護者の方も、沢山の授業を受ければ自然と学力は上がると信じています。ただ、残念ながらこのようなケースでは授業を(集団授業、個別指導に限らず)沢山受けても成績は上がっていかないのです。例えて言えば、知識=蛇口から出てくる水、自習の習慣=水を受ける器とイメージしてみてください。自習の習慣が身についていないということは、穴だらけの器、つまりはザルのような器で水を受けるようなものです。これでは、どんなに蛇口を目いっぱい開いて大量の水を流しても、下に流れて行ってしまうだけで、水は溜まっていきません。穴のない器を作ることがいかに重要か、ご理解いただけたでしょうか?

3番目は「実力以上の中学に合格」という点です。本来の実力以上のところに合格した場合、合格した直後は当然、本人も保護者もとても嬉しく、鼻が高かったと思いますが、それからついていくのが大変です。このような場合に、本人に主体性があるかどうか、がカギになります。
本人が行きたくて入った学校であれば、そこから何とかついて行こうとするでしょう。ですが、親が主導して入れた学校だったらどうでしょうか?ついて行くのはより難しいはずです。

それでは、どうすればよいのでしょうか?

保護者の方に向けた心得をお伝えしたいと思います。

まず、中学受験を目指している方の場合。
チェックしていただきたいのは、「本人の主体性がどれだけあるか?」「親ばかり熱心になっていないか?」です。ここは根幹と言ってもよい点です。

中学受験に熱心である保護者ほど「何としてもこの学校に入ってほしい」「少しでも偏差値の高い学校に入ってほしい」となりがちですが、もう少し泰然と、長期的な視野でお子様の将来を見ましょう。自分で選んだ学校で、自主的に取り組んだ中学受験経験であれば、たとえ思うような結果でなくても、そこから学べるはずではありませんか?それが長い目で見れば、よい経験になるはずです。

それでは、すでにお子様が中学生、高校生で、以上の3つに当てはまっている方の場合、保護者の方は、どうすればよいでしょうか?

まず、「本人の主体性を取り戻す」(場合によってゼロから構築する)ということが最重要になります。短期的には成績が落ち込んでしまっても、さらには留年したり、中退したとしても、長期的な視点を持って、本人が主体的に取り組むこと(勉強でなくても構いません)を見つけて、後押しする姿勢を持つとよいでしょう。

そのためには、これまでの自分の考え方を省みるとともに、お子様ととことん向き合う覚悟が必要です。

並木陽児

究進塾代表。最近ハマっていることは、川遊び(ガサガサ)と魚の飼育です。

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