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こんにちは、究進塾 編集部です。
今回は大学入試試験、総合型選抜の解説です。総合型選抜を検討している方は勿論、多様化する入試制度に「総合型って何?」という方も、総合型を含めて検討した方が良いケースがあります。
この記事を読んで、総合型選抜という入試はどういう入試なのかを知り、ご自身の選択肢を増やして頂きたいと思います。

松本先生

ICU(国際基督教大学)卒業。生徒の性格に合わせた指導が特徴です。大学受験英語、四技能指導が得意。英語資格試験の指導でも活躍中。難関国公立から総合型入試まで幅広い生徒を担当。学習計画表作成と進捗管理ができる講師。
尾川先生

1994年から2001年まで株式会社熊本放送に総合職として勤務し、アナウンサー、ディレクター、広報、編成を経験。2003年から医学部受験、公務員試験、就職試験対策の小論文、面接の講師として活躍中。

 


松本先生

本日は、統合型の小論文、面接をたくさん指導されている尾川先生にインタビューします。総合型がどういう試験なのか、深掘りしていきたいと思います。よろしくお願いします。


尾川先生

よろしくお願いします。

 

松本:総合型選抜は、受験生の多くが詳しく知らないようで、ブラックボックスというか。(※ブラックボックス:“中身がわからない不気味なもの”。コンピュータの世界で内部構造や仕組みがわからなくても扱える装置・プログラムを指す。)
なので具体的に「どういう試験なのか」をイメージできるような形で、尾川先生にお答えいただければなと思います。

 

総合型選抜の合格実績

松本:去年(2023年)も究進塾では尾川先生にかなりご指導いただき、実績も上がっています。まず具体的に、昨年度の究進塾での合格実績を教えてください。

尾川:指定校を除いた学校推薦型選抜の合格実績は、
横浜国立大学、防衛大学校、国立清水海上技術短期大学校、国際キリスト教大学、立教大学、中央大学、駒澤大学、東京農業大学、拓殖大学、東京国際大学、津田塾大学、日本女子大学、聖心女子大学
これらの大学に合格しています。

💡かなり多くの合格がありました。中には難関校もあり「こういう学校が総合型で受けられるんだ」と驚いた方もいると思います。なので、幅広い偏差値帯で試験を受けていただくと、可能性が広がるのではないかと思います。

 

形式の違いを詳しく教えてください

松本:総合型に限らず「〇〇型」という名称の試験がたくさんありますが、「ごちゃごちゃしていてよくわからない」という方もおそらくいらっしゃると思います。総合型、公募型、学校推薦型の違いを教えてください。

尾川:総合型、公募型、学校推薦型の違いは、

①総合型選抜
大学から見て「欲しいな」と思われる受験生を取りたいという入試。②公募制
学校推薦型選抜の中に含まれる。高校の校長先生の印鑑が必要、総合型に比べると評定平均など求められるものの基準が少し高い。③以前指定校と呼んでいた入試
学校推薦型選抜の中に含まれる。

総合型と公募型の違いはそんなにありませんが、総合型に比べると少し評定平均など、高校の中で求められるものの基準が高いという印象があります。
指定校推薦も、名前はいろいろ変わっているものの一応ありまして、高校の中で選抜をされ受験するというものです。

松本:公募型を使用される方はそこまで多くなくて、学校推薦型で行かれる方、総合型の方が多いかなという印象が個人的にはあります。
この2つはかなりシステムが違っていて、学校推薦型はどちらかというと「学校の成績」が大事になってくるかなと思うんですが、総合型は「それ以外の選抜試験がたくさんある」という違いがあります。

 

総合型選抜の時期

松本:総合型は、試験形式、一次試験、二次試験とわかれてることが多いとよく聞きますけど、具体的な試験内容と時期に関して、簡単に説明いただけますでしょうか?

尾川:総合型選抜は「公募制よりも早い」というのがまた特徴ではあります。
総合型選抜は、大体7月の終わりぐらいから8月にかけて、大学から出願書類というのが発表されます。志望理由書、小論文の事前課題といったもので、それから1ヶ月ぐらいかけて用意し、9月上旬に大学に提出するというところが多いです。
そして、9月下旬ぐらいに1次選抜をする大学であれば、その合格発表が行われます。そこで次2次選抜ということで、次に面接、小論文をまた受けるという感じです。
合格発表は11月1日という大学が一番早いと思います。
10月中に合格発表がある大学はまずなくて、一番早くて11月1日に合格発表というようなところが多い印象です。ですので、本当に勝負期間は短くて、7月の下旬から11月1日までという短期決戦になると思います。

松本:7月~9月あたりで、ぐっと対策をしてぐっと試験を受けて、という形ですね。この短い時間ではあるんですが、1、2回の試験で合否が出るので、じっくり助走期間を設けて長期間準備をすることが、本来期待されるということですよね。

尾川:7月からと言いましたが、これは「出願書類が出るのがその時期だから」というわけで、その前にできることとしては小論文対策です。これをしっかりやった上で、7月の出願書類が出るのを待つ、というのが理想な流れかなと思います。

松本:去年も究進塾で指導されて感じたと思うんですが、出願の直前に塾にいらして、数週間とか1ヶ月に満たない期間で「対策をしてください」というケースが結構あって。

尾川:ありました。

松本:その短い期間でもできなくはないと思うんですけど、困ったと思うんですよね。実際に去年かなり合格者を出してるので可能ではあるかもしれないんですが、どれぐらいの助走期間を設けて対策をするのが望ましいでしょうか。

尾川:理想は下級生のうちから来ていただいて、ゆるゆると小論文の対策をしつつ、それから学力そのものを上げていくっていうことが大事かなと思います。で、1年生のときから来ていただければ学力もケアできるかなと思います。
総合型選抜が今までのAO入試と大きく違うところは、大学が高校生の学力、受験生の学力を見るようになったというところが大きな違いです。それに対応するというために、やはり1年生のうちから来ていただいて、学力部分を何とかしていきながら小論文を書きながら…というやり方が良いと思います。
そして、その中でいろいろな経験を積んでいただきながら、総合型に強い生徒さんになっていただくという準備をしたいです。「こういう本を読んだら」「こういうところに行ってみたら」「こんな人の話を聞きに行ってみたら」とか、そういったことができるのも、1年生のうちかなと思います。

松本:すぐに対策して合格できるかというと必ずしもそうではなくて、例えば1年生のうちからしっかりとした学力対策を行って着実な学力を身につけるのと、小論文も早期に対策した方がやはりいいっていうことですよね。

尾川:そうだと思います。やはり「夏ぐらい」からって言われても間に合いにくいですよね。
小論文に関しては遅くとも2年生の3学期、3年生の1学期の本当に初めに来ていただくと一番いいんじゃないかなと思います。やはり中間試験、期末試験と、高校の試験が2回ありますし、部活動の最後の試合があるとか、英検も受けなきゃいけないというようなこともあって、なかなか十分なスケジュールが取れないかなというふうに思います。
実際、去年の割と早い時期に来られた人でも、7月の志望理由書を書くまでの間に「小論文を何本かけたか」っていうと、10本はいかなかったんじゃないかなと思うんですね。ですので少し早めに来ていただきつつ、学校のスケジュールと両立させていくってことが難しいところではあります。

 

昨年の合格率

松本:去年の尾川先生の指導した生徒は、ほぼ受かりましたよね。

尾川:そうですよね。

松本:合格率はどれくらいですか。

尾川:ほとんどじゃないですか。特に一次選抜、二次選抜とある大学で、一次選抜に落ちた人は1人もいないかと思います。

松本:本当に素晴らしい合格率です。これは尾川先生の力によるところもかなり大きいんですが、実際はもう少し早くただ来ていただけるとありがたかったなっていうことも、正直な気持ちとしてはあるかなと思うのですが。

尾川:結果としては全員受かったんですけれども、でもその全員の中に、必ずしも出願した全大学に合格したというわけではなくて、やはり不合格になってしまった大学があった受講生もいらっしゃったので、今度はそれはちょっと減らしていきたいなと思います。

松本:今ご覧いただいてる方は、できるだけ早く、思い立ったら塾に1回来ていただき、総合型がどういう試験なのかをまずはヒアリングをして大枠を認識できれば、「これを早く対策した方がいいな」とかっていうことが認識できるかなと思います。興味がある方は早めにお越しいただくのが一番いいかなと思います。

 

総合型選抜の倍率

松本:総合型の試験の倍率が、あまり知らない方は何倍なのかってところがおそらくイメージできないと思います。大体これくらいの倍率というのはありますか。

尾川:あります。文部科学省の方でデータを出していまして、2023年度入試(2024年時点で大学2年生になる人たち)の文部科学省の実施経過データによりますと、以下のようになっています。

国立 効率 私立
総合型選抜 2.8倍 3.1倍 1.8倍
学校推薦型選抜 2.4倍 2.3倍 1.5倍

ただ近畿地方は他の地区よりも、圧倒的に志願者、合格者ともに多いので、出願者だけですと首都圏の2倍ぐらいいます。

松本:私も総合型の受験生を指導する機会があり、英語講師なので英語を教えていましたが、小論文は尾川先生に見ていただいて実際に無事合格しまして、本当にありがとうございました。

尾川:いえいえ。

松本:いろいろ調べてみるとやはりすごく倍率が低いところも総合型に関しては、ある1倍みたいなところが。

尾川:ねらい目みたいなところがありますよね。

松本:この辺の情報を自分で探すのは、結構難しいんじゃないかなと思います。

尾川:高校生にはそうかもしれません。

松本:インターネットで検索しても、なかなかすぐ情報にリーチできないので、こういうのはやっぱり塾を頼って、いろいろ情報提供してもらうっていうのが一番いいんでしょうか。

尾川:はい。その受講生も、最初は一般選抜で受験するということで、普通に学力アップのために塾にいらしてたんですよね。でもそれが「総合型もあるよ」と知ったことで、じゃあ最初はこっちで受けてみようかという話になったんですよね。

松本:希望する大学の学部学科に、総合型があるということに気付かれて、それでちょっと試しに受けてみようかというところで。彼女も割と直前ではあったんですけれども。

尾川:そうですね。もう書類が出る頃でしたよね。

松本:ただ、彼女は比較的コミュニケーション能力が高く言語能力もあったので、文章も割と序盤から書けましたよね。

尾川:そうですね。そういう子はわりとギリギリでもできるかなと思いますよね。明るい生徒さんだったし。宿題を真面目にしたりとか、前向きさがありましたよね。そして高校でも色々役職といいますか、委員会活動とか部活動とかをそれなりに頑張っていて、総合型での面接中で話せるネタみたいなものを持ってたのかなと思います。なので、一般選抜からスライドしてくるにはすごくいい生徒さんだったと思います。

松本:直前で総合型を受けようと思って1ヶ月ぐらいで準備することになったとき、受かる人のパターンの1つとしては、基本的なポテンシャル、喋る力、書く力があり、アピールできるものを既に持っていて、経験値がある人が受かる可能性が高いかなと思います。
逆に言うと、そういうものを持ち合わせてないかもしれないと不安に思ってる人は、もっと早期に準備を始めるべきということですよね。

尾川:そうですね。

次の記事へ続きます。


編集部

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